新しい携帯電話

ソフトバンクショップに機種変更およびプラン変更をしにいった。
整理券を手に、カウンターへ向かう。
若い男性社員が対応してくれたのだが、どこか頼りない印象。
ふと胸元を見ると、「研修中」の文字が。
なるほど、と。

接客などがたどたどしい人を見るとイライラする、
という人もいるかもしれないが、
自分はむしろハラハラする。
「こいつ使えねー」とか思われているんじゃないかと
いらぬ心配をしてしまう…

「今こちらのプランにしますと1GBのメモリーカードがつきますよ」
へえ、いいですね、じゃあそれで。
「はい、それではご用意しますね」
…近くの男性社員のところへ。
すると何か聞こえてくる。
「ボソボソ(それは新規契約だけ…)」
気まずそうに戻ってくる彼。

古い電話から電話帳データがうまく取り出せない。
隣の女性社員がちょいちょいと解決。
「普通にできたよ?」

同じく古い電話からSIMカードが取り外せない。
ああ、なんかパキッと折れそうだぞ。
明らかにそのストッパーらしきパーツを先に外さないと…
近くにいた男性社員がヘルプ。

移動中にケーブルを引っ掛けてオフィスの電話が盛大に落下。

今度は新しい電話に電話帳データが移らない。
ヘルプを頼もうにも両隣の女性社員は対応中…
……
意を決して左の女性社員に耳打ち。
あの…ちょっといいすか…
と、そこで対応を終えた右側の女性社員が救いの手を。
「いいよ、あたしがやる」
ちょいちょい、と解決。

そしてようやく最後の発信確認。
「それではちょっと確認してみますね」
なにやらボタンを押して電話をかけるポーズ。
……
もう一度。
……
もう一度。
……
男性社員が心配そうに横で見ている。
いや、大丈夫っす、風の身振りをしているが
やはり心配そうな男性社員。
…おお、ようやくうまくいった模様。


「これですべて終了です。ありがとうございました。」
と、俺を見送ってくれたのだが、
《明らかに使えない社員なところを見られてしまったのだが
手続きは全て滞りなく終了いたしましたという顔をしなくては》
という彼の表情が印象的でした。

ああ、疲れた。
これで小指の爪ほどにしかイラッとしない俺はえらい。
という話。